AIエンジニアはオワコンでいらないは本当か?最新キャリア動向と将来性を徹底検証

AIエンジニアはオワコンでいらない?

「AIエンジニアはオワコンって本当?将来性が不安」
「生成AIの進化で、AIエンジニアの仕事って減ってるの?」
「AIエンジニアを目指すのはもう遅い?」

ChatGPTやClaudeなど生成AIの登場で、AIエンジニアの役割が変わりつつある中、「AIエンジニアはもういらない」といった話題をSNSや掲示板で見かけるようになりました。特にITエンジニアとして転職を考えている人にとって、「AI分野に進むべきか」「今からでも間に合うのか」と悩んでしまうのも無理はありません。

結論から言えば、「AIエンジニアはオワコン」ではありません。むしろ今後の社会において中心的な存在になることが予想されます。ただし、従来のAI開発スキルに加えて、実装力・ビジネス理解・生成AIの活用など、新たな能力が求められる時代になってきています。

この記事では、AIエンジニアの現在の需要や将来性をはじめ、転職市場における価値、どんな人材が今後重宝されるのかについて、現役ITエンジニアとしてキャリアアップ転職を実現した筆者が、わかりやすく解説していきます。

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目次

AIエンジニアがオワコンと勘違いされる理由とは?

「AIエンジニアはもう終わった」「AIは誰でも使えるから専門職はいらない」——こうした意見を、SNSや動画サイトのコメント欄などで目にしたことがある人もいるかもしれません。かつては花形だったAIエンジニアが、なぜ今「オワコン」とまで言われてしまうのでしょうか。

実はその多くは、“勘違い”や“誤解”に基づくものである可能性が高いのです。AIエンジニアの役割や求められるスキルが時代と共に変化している中で、表面的な情報だけを見て判断してしまっているケースも少なくありません。

ここでは、なぜAIエンジニアが「オワコン」と勘違いされやすいのか、その3つの背景について詳しく解説していきます。

「AIができる」はもはや当たり前になったからAIエンジニアはオワコン?

少し前までは、「AIが使えるエンジニア」というだけで希少性があり、高待遇で迎えられる傾向がありました。しかし今では、Pythonや機械学習の基本的な知識はオンライン講座や動画学習で気軽に学べるようになり、実際に独学でスキルを身につける人も急増しています。

これにより、「AIの知識がある=すごい」という感覚が薄れ、AIに関するスキルが一般化した印象を持つ人が増えました。その結果、「AIエンジニアは特別じゃない」「もう珍しくない」といった誤解が生まれやすくなっているのです。

ですが、実際には初歩的な機械学習と、実務で通用するAI設計・運用スキルとは大きく異なります。この違いが見落とされ、「AIエンジニアは価値がない」と誤認されていることが多いのです。

AIツールの進化で「誰でも使える」ようになったからAIエンジニアはオワコン?

ChatGPTやGemini、画像生成のMidjourneyなど、近年の生成AIツールの進化は目覚ましく、誰でも使える高性能なツールが次々に登場しています。さらに、ノーコードでAIを組み込めるサービスや、AutoMLといった自動モデリング機能の普及も進み、「AI=簡単に使えるツール」といった印象を持たれがちです。

こうした状況から、「わざわざエンジニアを雇わなくても、ツールで十分では?」と感じる人も増えています。ですが、実際には生成AIの活用や自動化の設計には深い理解と判断力が必要で、業務への最適な組み込みや継続的な運用には専門性が不可欠です。

便利なツールの普及が、AIエンジニア不要論につながってしまっているのは、ある意味テクノロジーが進んだことによる“皮肉な副作用”とも言えます。

AI知識だけでビジネスに直結するスキルがないと価値を出せなくなっているからAIエンジニアはオワコン?

AIエンジニアに求められるものは、単なる「モデル開発」ではなくなってきています。現場では、精度の高いモデルを作るだけでは不十分で、それをどう業務に落とし込むか、どのように継続的に改善していくかが重視されるようになっています。

そのため、「技術はあるけどビジネスに活かせないエンジニア」は成果を出せず、存在感が薄れてしまうケースも。これが「AIエンジニアは役に立たない」という印象を一部で生んでしまっているのです。

でも実際には、AIとビジネスの橋渡しができる人材は、どの企業でも強く求められています。勘違いされがちなのは、「一部の成果が出せないケース」が「AIエンジニア全体」の評価に結びついてしまっていること。

技術力に加えて、業務理解や運用の視点を持つことで、AIエンジニアはむしろ“より重宝される存在”になり得るのです。

AIエンジニアの需要は本当に減っているのか?

「AIエンジニアはオワコン」といった声を聞くと、本当にこの職種の需要が下がっているのではないかと不安になる人もいるでしょう。

でも実際のところ、転職市場や求人の動向を見る限り、AIエンジニアの需要はむしろ“増加傾向”にあると言えます。

ここでは、AIエンジニアを取り巻く市場環境の実情をデータや事例を交えながら読み解いていきます。

求人動向で読み解くAI人材のニーズ

まずは大手転職サイトでの求人をチェックしてみると、「AIエンジニア」や「機械学習エンジニア」「データサイエンティスト」といった職種の求人数は年々増えています。

特に2023年以降は、生成AIブームに伴い「LLM」「自然言語処理」「MLOps」などのキーワードを含む求人も急増しています。

リクナビNEXTやdoda、Greenなどを見ても、AI関連ポジションは年収800〜1000万円以上のレンジが中心で、明らかに高単価人材として扱われています。特に「エンジニア×AI」の組み合わせで実装力がある人材には、企業が先を争ってオファーしているのが現実です。

加えて、SaaS系のスタートアップやDX推進中の大企業からも、AIを自社事業に組み込める人材への需要が急増しています。

新しい分野で活躍するAIエンジニアの実例

最近の転職市場では、「従来型のAI開発」ではなく、「生成AI」「RAG(検索拡張生成)」「AIプロダクトの運用設計」などの分野で活躍する人が増えています。

たとえば、ある中堅SIerのエンジニアは、社内のナレッジ検索を生成AIで自動応答できるシステムに変革したことで評価され、大手IT企業の生成AI戦略部門に転職。年収は150万円アップし、業務の幅も大きく広がったそうです。

また、医療機器メーカーで画像診断AIを手がけていた技術者が、転職後に医療×生成AIのプロダクトマネージャーに就任するケースも出てきています。

こうした事例は、「AIエンジニア」という肩書にとどまらず、「AIで価値を創出できる人材」が求められていることの証拠でもあります。


AIエンジニアでオワコンとされる職種との違い

「AIエンジニアがオワコン」と言われる背景には、実は“職種の幅広さ”が影響しています。たとえば、「Kaggleでモデルを組める」「論文を読むのが得意」だけでは、ビジネスに繋がらないケースも多いのが実情です。

その一方で、「現場に寄り添ったAIの設計ができる人」「運用・改善まで一貫して担える人」は非常に希少で、企業からの需要が高止まりしています。つまり、“AIの知識”だけではなく、“プロダクトへの落とし込み力”を持つ人が、より市場価値を高めているのです。

誤解されがちですが、「AIエンジニア全体がオワコン」なのではなく、「表面的なスキルだけでは通用しづらくなった」職種があるということ。これはむしろ、AI人材に求められる期待値が高まっている証拠とも言えるでしょう。

AIエンジニアがオワコンではない理由

ここまでで、「AIエンジニアはオワコン」と言われる背景には、ツールの進化や認識のズレがあることが見えてきました。では、実際にAIエンジニアの価値は今後どうなるのでしょうか?

結論から言うと、AIエンジニアは“今後さらに重要な存在”になっていきます。技術の進化に伴って求められるスキルは変化していますが、AIを設計し、使いこなし、社会実装できる人材はこれからの時代の中心になっていくはずです。

ここでは、AIエンジニアが「むしろ今後ますます必要とされる」3つの理由を掘り下げていきます。

AIエンジニアがオワコンでない理由①社会全体のAI活用需要は拡大し続けているから

生成AIの急速な普及により、AIはもはや一部の研究者や大企業の専売特許ではなくなりました。今や教育、行政、地方自治体、中小企業、NPO法人に至るまで、「どうやってAIを活用するか?」がリアルな課題となっています。

その中で、実際にAIの力を使って業務を変革したり、サービスに組み込んだりできる人材の価値は大きく高まっています。

たとえば、自治体が防災マップの更新に生成AIを活用したり、工場が品質管理の工程に画像認識を導入したり、病院が診断支援にAIを使い始めたり……こうした動きはすでに全国各地で進んでいます。

この“AIを活用したいが、どうしたらよいか分からない”というニーズに応えられるのが、AIエンジニアの大きな存在意義です。社会のあらゆる領域にAI導入が広がることで、AIエンジニアの仕事領域はむしろ拡大しているのです。

AIエンジニアがオワコンでない理由②求められるスキルセットが進化しているだけだから

AIエンジニアに対する需要は“減った”わけではありません。ただ、求められるスキルの内容が変わってきただけです。

以前は、Pythonが書けてモデルを構築できる人材が評価されました。でも今は、そこからさらに進んで、

  • MLOpsによる継続的な運用設計ができる
  • 業務フローにAIを組み込み、現場に浸透させられる
  • プロダクトの中にAIを機能として統合できる

といった実装後を見据えた設計力・運用力が求められるようになっています。

つまり、AIエンジニアの仕事は“研究寄り”から“実用寄り”へとシフトしているのです。これは言い換えれば、より社会に近い職業になってきたということ。だからこそ、ビジネスとテクノロジーの橋渡しができるAI人材は、今後ますます重宝されるというわけです。

AIエンジニアがオワコンでない理由③本物のAIエンジニアはより希少になっていくから

ツールの進化により、”AIを使える人”が増えた反面、”AIを本質的に理解して使いこなせる人”はむしろ少なくなっています。

たとえば、ChatGPTでコードを書ける人は増えました。でも、そのコードがなぜ動いているのか、精度を高めるためにどう改善すべきか、モデルの選定基準は妥当か——こうした深いレベルで判断できる人は限られています。

また、生成AIのような大規模モデル(LLM)では、RAG(検索拡張生成)、エージェント設計、プロンプトエンジニアリング、API連携など、多面的な知識と経験が必要になります。これらは、決して「ちょっと学んで使える」レベルではありません。

だからこそ、AI技術を理解しつつ、現場やプロダクトに適用できる“本物のAIエンジニア”は、今後ますます希少な存在になるでしょう。そして、その希少性こそが、市場価値を高めているのです。

このように、「AIエンジニアがオワコンではない理由」はたくさんあります。むしろ今は“役割のアップデート期”であり、技術だけでなく価値創出まで見据えた人材こそが、選ばれていくフェーズに入っています。

AIエンジニアが転職市場で求められている領域

AIエンジニアの役割が変わってきているとはいえ、企業が本当に欲しがっている人材が存在するのも事実です。
特に以下のような専門領域では、実践的なスキルと経験を持ったAIエンジニアへの需要が非常に高まっています。

それぞれの分野にどんな特徴や背景があるのか、実際にどんな求人が多いのかも含めてご紹介していきます。

AIエンジニアが求められる領域①MLOps

MLOpsとは、機械学習モデルを「開発」するだけでなく、実際に運用し、継続的に改善していく仕組みを整えることです。
クラウド環境の活用、CI/CD(継続的インテグレーション/デリバリー)、モデルの監視や再学習といった工程を自動化するスキルが求められます。

この領域は、単に「AIを作れる」だけでは務まりません。インフラ・ソフトウェア・データエンジニアリングと横断的な知識が必要になるため、対応できる人材が非常に限られており、その分市場価値も高騰しています。

とくにAIをプロダクトに組み込むSaaS企業や、継続的なモデル改善が求められる金融・物流・広告系の企業では、MLOpsスキルを持つ人材を積極採用している傾向があります。

AIエンジニアが求められる領域②AI×業務ドメイン特化型

汎用的なAIではなく、特定の業種・業界の知識と融合した業務特化型AIエンジニアも注目されています。
たとえば、製造業での異常検知や歩留まり予測、医療分野での診断支援、物流の需要予測や配送最適化など、現場課題に寄り添ったAI開発が求められているのです。

このような領域では、現場特有の制約(例えば「夜勤現場でも使いやすいUIにする」など)や、ドメイン知識がないと使えないパラメータ設定など、深い理解が必要になります。
「技術だけ」「AIだけ」ではなく、「業務知識と技術をつなげられる人材」が非常に重宝されるため、転職市場でも高く評価されます。

特に製造業や医療系企業では、内製化を進める動きが加速しており、ドメイン知識を持つAIエンジニアを正社員として迎える動きも目立ちます。

AIエンジニアが求められる領域③生成AI活用人材

ChatGPTやClaudeの登場で注目が集まる生成AI領域。ここで今、特に求められているのがRAG(検索拡張生成)やAIエージェント設計を担えるエンジニアです。

生成AIは、ただ使うだけではビジネスに活かしにくいことが多く、どういう文脈でどの情報と組み合わせて回答させるかといった設計力が問われます。

たとえば、社内FAQやナレッジベースにRAGを使って自然な回答を生成させるには、Embeddingやベクトル検索の知識、Prompt設計の工夫、フロントとバックの接続、LLMの特性を踏まえたUX設計など、複数の専門スキルが求められます。

こうした“生成AIを使ったソリューション開発”ができる人材は、現在まだまだ少なく、早く経験を積んだ人ほど市場で評価されやすくなっています。

スタートアップから大手SIer、コンサル企業まで、あらゆる企業が生成AI人材の確保に動いており、転職市場ではこの分野の求人が増加しています。

AIエンジニアが求められる領域④AIプロダクトのテックリード

AIを活用したプロダクト開発において、設計から開発、実装、運用までを一貫してリードできるテックリードやプロダクトエンジニアは非常に希少な存在です。

このポジションでは、AIに関する技術力だけでなく、プロダクトマネージャーとの連携、要件定義、ユーザー体験の設計、データパイプラインの構築、さらにはチームマネジメントに至るまで、広範囲の能力が求められます。

たとえば、SaaS企業での事例では、ユーザーの入力データに応じて自動で提案を出すAI機能を開発し、その仕組みを既存プロダクトに統合。技術選定やロードマップ設計まで担ったエンジニアが、年間数百万単位での成果を上げ、高い評価を受けたケースもあります。

こうしたAIプロダクトを“使える形”で社会に提供できる人材は、技術力以上に「総合的な価値創出力」を備えており、転職市場でも引く手あまたの存在です。

AIエンジニアが求められる領域⑤AI戦略・コンサル領域

企業の中には「AIを導入したいけど、何から始めればいいかわからない」という状態のところも多く、こうした企業に対して上流工程から支援できる「AI戦略・コンサルティング領域」のニーズも急増しています。

この領域では、AIの導入戦略を立案したり、事業部ごとの課題に応じたPoC(概念実証)を設計・提案したり、ROI(投資対効果)を見据えたソリューション構築をサポートする役割が求められます。

コンサル企業や大手SIerでは、「AI×業務改革」「生成AIによる業務効率化提案」といったプロジェクトが次々に立ち上がっており、技術+業務理解+提案スキルを持つ人材が非常に高く評価されています。

この領域で活躍するAIエンジニアは、もはやエンジニアという枠を超えて、AIを軸に事業全体を設計できる“戦略パートナー”ともいえる存在です。

これからのAIエンジニアに求められるスキルとは?

AIエンジニアの需要は今も高まり続けていますが、求められるスキルセットは数年前とは大きく変わってきています。
今後のAI人材にとって重要なのは、とにかくモデルを作れることではなく、業務で使える形に落とし込み、持続的に価値を出せる力です。

ここでは、最新の現場で実際に求められている3つのスキル領域を解説します。

AIエンジニア求められるスキル①MLOpsの実装スキルと運用力

従来のAI開発は、モデルを作って終わりになりがちでした。しかし現場で本当に価値を出すには、継続的に運用・改善する力=MLOpsスキルが欠かせません。

MLOpsとは、機械学習モデルの開発・テスト・デプロイ・モニタリング・再学習などを、CI/CDの考え方で一気通貫で管理する手法です。クラウドインフラ(GCP, AWS, Azureなど)や、パイプライン設計(Kubeflow, MLflowなど)の理解も含めた包括的なスキルが求められます。

特に生成AIやプロダクト内でAIを組み込む企業では、作ったAIをいかに現場で安定運用するかが重要な評価軸となっており、MLOpsができるAI人材の市場価値は今後ますます上がっていくと見られます。

AIエンジニア求められるスキル②生成AIを活用したアーキテクチャ設計力

ChatGPTやClaudeなどの大規模言語モデル(LLM)が普及した今、単にAPIを叩いて使うだけでは足りません。今後のAIエンジニアに求められるのは、生成AIを業務システムやサービスに組み込むためのアーキテクチャ設計力です。

たとえば、RAG(検索拡張生成)を用いて社内ドキュメント検索AIを構築するには、以下のような設計が求められます。

  • ベクトルデータベースやEmbeddingの活用
  • 適切なチャンク分割や前処理
  • プロンプトテンプレートの最適化
  • フロントエンドとの連携、UX設計

このように、単なる「使う」から「設計して実装できる」レベルへの進化が重要になります。LLMやAPIを扱うだけでなく、プロダクト化までを見据えた総合的な力がある人材は、企業から即戦力として求められています。

AIエンジニア求められるスキル③ドメイン知識と業務理解を前提にした実装力

どんなに高度なAIでも、それが現場の業務にフィットしていなければ価値を生みません

そのため、これからのAIエンジニアには、製造・医療・物流・金融など、特定の業務領域に関する知識や、業務プロセスへの理解がますます求められるようになっています。

たとえば、医療業界でのAI活用では、診断支援AIの開発において医師の意思決定フローを理解して設計しなければ、現場で使われません。

物流業界での需要予測では、繁忙期・天候・エリア特性などを踏まえたロジック構築が求められます。

つまり、技術だけではなく、その技術を「どこで」「誰に」「どう使ってもらうか」を考慮して実装できるスキルが、真の価値を生むのです。

AIエンジニア求められるスキル④ソフトウェア開発スキルとのハイブリッド化

AIは単独で動くものではありません。実際の業務で使うには、フロントエンドやデータベース、API連携など、ソフトウェア開発全体との統合が必須になります。

たとえば、生成AIによる自動提案機能をWebアプリに組み込む場合、以下のような要素が必要になります。

  • LLMの出力結果をどのようにUIに表示するか
  • バックエンドのAPI設計やセキュリティ対応
  • ユーザーの操作ログをどう活用し、改善につなげるか

このように、AIとソフトウェアの接続点を自ら設計・開発できるエンジニアは、現場で非常に重宝されます。

特にスタートアップや少人数開発の現場では、「AI担当だけどVue.jsやNext.jsにも触れる」「Python+FastAPIでAPIも組む」といった柔軟なスキルセットが求められており、フルスタック寄りのAI人材は市場での評価が高まっています。

AIエンジニア求められるスキル⑤ビジネスインパクトを意識した企画・提案力

AIエンジニアにとってもう一つ重要なのが、技術をどのように「価値」に変えるかを考える力です。

たとえば、画像認識AIを導入する場合でも、ただ「精度が良いモデルを作る」ことがゴールではありません。

それを現場に導入し、どの工程でどれだけ工数が減り、年間で何百万円のコスト削減につながるのか——ビジネス的な意義まで設計・提案できることが鍵となります。

また、上司やステークホルダーへのプレゼン、ドキュメント作成、PoCの設計、実証結果の可視化など、周囲を納得させて動かすコミュニケーション力も重要なスキルとなります。

実際に企業がAI人材に期待しているのは、「手を動かすだけ」ではなく、「技術で事業を推進できる力」です。だからこそ今、AIエンジニア×ビジネスのハイブリッド人材は転職市場でも圧倒的に優遇される存在となっています。

AIエンジニアのキャリアパスは?

AIエンジニアとしての経験を積んだ先に、どのようなキャリアの可能性があるのか。これは多くの現役エンジニアや転職を検討中の方にとって、非常に気になるテーマです。

実はAIエンジニアのキャリアパスは、一方向ではなく多様化しているので、自身の志向や得意領域に応じてさまざまな道を選ぶことができます。

ここでは、「技術特化型」「プロダクト指向型」「ビジネス指向型」に分類して、それぞれの方向性と、その特徴・活躍フィールドを詳しくご紹介します。

AIエンジニアのキャリアパス①技術特化型

最先端のAI技術を極めたい、論文ベースの開発や新しい手法を世に出したいという志向の方には、技術特化型のキャリアが適しています。

この道では、AI研究者やリサーチエンジニアとして、以下のような役割を担うことが一般的です。

  • 学会発表や論文執筆を通じて技術トレンドを牽引
  • 自社プロダクトへの先端技術の導入支援
  • 社内の技術教育・研究推進チームでの活躍

大手IT企業や研究機関、AIスタートアップのR&D部門などで活躍するケースが多く、技術力そのものが評価されるポジションとしてやりがいも大きいです。ただし、より高い専門性や継続的なインプットが必要となります。

AIエンジニアのキャリアパス②プロダクト指向型

AIを単なる研究対象ではなく、ユーザーに価値を届ける「プロダクト」に落とし込みたいという方におすすめなのが、プロダクト指向型のキャリアです。

この道では、プロダクトマネージャーやAIプロダクトエンジニアとして、以下のような役割が求められます。

  • ユーザー課題を見極めてAIで解決するプロダクトを設計
  • フロント・バック・AI部分を一貫して実装/運用
  • UXや継続的改善を意識したアジャイル開発

特に生成AI領域では、AIエージェントやLLMアプリを素早く企画・実装できるスキルが非常に重宝されており、転職市場でもこのようなハイブリッド人材の人気が高まっています。

技術とビジネスの中間で動きたい人には、非常にマッチするキャリアパスです。

AIエンジニアのキャリアパス③ビジネス指向型

技術を理解しつつ、それを使ってどう価値を出すかを考え、組織全体を動かしたいという方に向いているのが、ビジネス指向型のキャリアです。

この道では、AIコンサルタントやAIプロジェクトマネージャー、AI戦略担当などの役割で活躍するケースが増えています。

  • 経営や現場と連携してAI導入方針を立案
  • PoC設計〜成果検証〜本番導入までをリード
  • データ分析と業務知識をもとに業務改善提案

この分野ではAIをどうビジネスに結びつけるかが主眼になるため、プレイヤーとしてのスキルだけでなく、社内調整やプレゼン力、マネジメント力も求められるようになります。

特に大企業やコンサルティングファームでは、こうした“ビジネス感覚のあるAI人材”へのニーズが年々高まっており、報酬水準も非常に高い傾向にあります。

AIエンジニアに将来性があると言える理由

AIエンジニアという職種には、今なお「将来性があるのか?」「自動化によって不要になるのでは?」といった疑問の声がつきまといます。しかし実際には、その将来性はむしろこれから本格的に広がっていくフェーズに突入しています。

このセクションでは、なぜAIエンジニアという職業が今後も重要なポジションとして価値を持ち続けるのか、その根拠を多角的に深掘りして解説します。

AIエンジニアの将来性①社会のあらゆる領域にAI活用が拡大している

かつては一部の先進企業や研究機関だけの取り組みだったAIも、今では社会のあらゆる領域に活用が広がっています。

たとえば製造業では、不良品の検出や歩留まり予測、設備保全の予兆検知にAIが活用されています。

医療分野では、レントゲン画像やMRIの診断補助、電子カルテの要約支援など、AIが現場の医師を支える役割を果たしています。

小売・流通では、需要予測や在庫管理、パーソナライズドマーケティングにAIが導入され、売上向上や業務効率化に直結しています。

このように、AIは「限られた一部の業種のための技術」ではなく、社会インフラの一部として定着しつつあります。

さらに最近では、教育、農業、行政、地方自治体などにもAI導入の動きが進んでおり、AIの社会実装は、今まさに“全方位展開フェーズ”に突入しているのです。

この流れの中で、現場に最適なAIを設計し、運用にまで落とし込めるAIエンジニアの存在は不可欠。社会全体のニーズが広がるほど、その中心にいるAIエンジニアの価値はますます高まっていきます。

AIエンジニアの将来性②生成AI・MLOps・RAGなどの新技術で求められるスキルが進化し続けている

AIの世界は進化が速く、数年前に主流だった技術が今では通用しなくなっていることも珍しくありません。近年の大きな変化といえば、生成AI(Generative AI)の急速な普及です。

ChatGPTやClaudeなどの大規模言語モデル(LLM)が登場したことで、AIは「一部の専門家だけが扱う技術」から「誰もが使えるツール」へと進化しました。

しかし、ここで重要なのは、生成AIを“ビジネスで使える形に設計・運用できる人材”が非常に少ないという現実です。

たとえば以下のようなスキルは、2023年以降に急激に注目されている新領域です:

  • RAG(検索拡張生成)による社内ナレッジ検索の構築
  • LangChainなどのLLMフレームワークを使ったアプリ開発
  • MLOpsによるLLMの運用・バージョン管理
  • LLM APIの安定連携と負荷分散設計

これらは単に「LLMを触ったことがある」レベルでは到底太刀打ちできません。高度な実装力と設計力が求められます。

AI技術は進化し続けているからこそ、その変化についていけるAIエンジニアは、常に最新市場での価値を担保できる人材として高く評価されるのです。

AIエンジニアの将来性③海外と比べて日本のAI導入はまだこれから

日本国内のAI導入率は、欧米諸国と比べて依然として低い水準にあります。

ある調査によれば、日本企業のAI導入率は20%前後にとどまっており、アメリカや中国の導入率が40〜50%を超えるのに比べ、かなり遅れを取っている状況です。

この差にはさまざまな要因があります。たとえば、

  • AI人材の不足
  • 社内データ基盤の整備が遅れている
  • 現場への導入に対する心理的ハードル
  • ROIが不明瞭なままPoC止まりになるケース

しかしこれは逆に言えば、日本企業には今後AIを導入していく余地が非常に大きく残っているということ。

特に2024年以降は、生成AIブームを受けて「社内にLLMを導入したい」「業務でAIを使える仕組みを整えたい」と考える企業が急増しており、それを支えるAIエンジニアへの期待値も右肩上がりです。

この“遅れている分、これから伸びる”という特性こそが、日本のAI人材にとっての最大のチャンスとなっています。

油断しているAI人材は将来性がないので注意

ここまでAIエンジニアの将来性についてポジティブな側面を強調してきましたが、一つ注意点も挙げておくべきでしょう。

それは、「AIを少し学んだだけで安泰」と考えてしまうと、あっという間に市場に置いて行かれるという現実です。

たとえば、5年前にscikit-learnでモデル構築を経験したきり、その後アップデートを怠っている人。あるいは、生成AIの登場以降も関心を持たず、API活用やMLOpsに取り組まない人。

こうした人材は、AIの世界ではあっという間に「古い人材」となり、市場価値を失ってしまいます。

つまり、「AIエンジニア=将来性がある職種」であることは間違いありませんが、それは学び続ける人だけに開かれた未来だということです。

新しい技術をキャッチアップし、実際の業務やプロダクトに活かす姿勢を持ち続ける限り、AIエンジニアのキャリアは今後ますます明るく、可能性に満ちたものになるでしょう。

まとめ:AIエンジニアはオワコンではない。進化に応じて価値が高まる職種

AIエンジニアという職種をめぐって、「オワコン」「いらない」といった言説が飛び交う昨今。しかし、それらはAI業界の本質を見誤った表面的な議論に過ぎません。

実際のところ、AIエンジニアは今もなお社会から強く求められており、技術の進化とともにさらに価値を高めている職種です。

確かに、AIツールの発展によって「AIが使えること」自体のハードルは下がってきています。ですが、それはあくまで入り口が広がっただけであって、ビジネスや業務の中でAIを設計・運用し、成果につなげられる人材は依然として希少です。

そして今、求められているAIエンジニア像は大きく進化しています。

  • モデル開発だけでなく、MLOpsや生成AIアーキテクチャに対応できる実装力
  • 業務や業界への深い理解を持ち、課題解決につなげられる応用力
  • 技術とビジネスを橋渡しし、プロダクトや戦略に貢献できる企画・提案力

このように、技術者でありながら事業に価値を生むハイブリッド人材こそが、これからのAIエンジニアとして最も期待されています。

また、キャリアパスの選択肢も多様化しています。研究職やリサーチエンジニアとして先端技術を深める道もあれば、プロダクト開発やビジネスコンサル領域で活躍する道もあります。
自身の志向に応じて、多彩なステージで成長を遂げられるという点も、AIエンジニアの大きな魅力です。

重要なのは、「オワコン」といった短絡的な風潮に惑わされるのではなく、自らのスキルを時代の変化に応じて進化させていく姿勢を持つこと。

AI技術が社会のインフラとして根付いていくこれからの時代において、AIエンジニアはむしろ“主役”とも言える存在になるでしょう。

今からでも遅くはありません。技術の波に乗り、価値あるAI人材として新しい未来を切り開いていきましょう。

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この記事を書いた人

現役のシステムエンジニア。大手、ベンチャーと複数社経験してきた経験から、IT転職やITエンジニアのキャリアについて発信しています。

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